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今年も無事、我々も接種しました!インフルエンザワクチンを。
毎年のことですが、予防接種が済むと「♪冬が来る前に、今年もインフルエンザの、注射をす~ませ~た~♪(字余り)」って100%罹らないわけではないんですが、ホッと安心します。
(この♪の部分にメロディーを付けて読めた方は同世代以上である可能性高し)
さて、自分が予防接種を受けたからってわけでもないのですが、今回はワクチン絡みで、動物病院での飼主様からの御質問トップ5にランクイン!と思われる「混合ワクチンって必要なんでしょうか?」について医療トピックに書きました。
いつもと同じように、医療トピックからだと見つけにくい、見づらいとのお声もありますので、このページにも医療トピックと、ほぼ同じ内容文を記載しました。
「医療トピック」のページでの閲覧はこちら
人間と比べてみよう!
「必要なの?犬さんと猫さんの混合ワクチン(予防注射)接種」
ご覧になりやすいほうでご覧頂ければと思います。
「医療トピック」は、他にも色々情報のせてあります。
では本文です。
◆人間と比べてみよう!
「必要なの?犬さんと猫さんの混合ワクチン(予防注射)接種」
まず、ヒト(人間)の場合を例として。
ヒトのワクチン接種は「定期接種ワクチン」と「任意接種ワクチン」に分けられています。
初めて上記の言葉を聞くと、定期は強制、任意は言葉そのまま任意と感じる方もいらっしゃるかも知れません。
基本的にヒトのワクチン接種は、全て任意です。
「定期接種ワクチン」は、国や地方自治体が強く接種を勧め、かつ健康保険が適用される公費負担のワクチンです。
乳幼児の保育園やその後の就学時に対して必要性があるとされている等の理由から、必然的に義務と認識?されているというのが実態ではないでしょうか。
[ヒブ=インフルエンザ菌b型=細菌性髄膜炎・日本脳炎・MR=2種混合=麻疹(はしか)・風疹・水痘(みずぼうそう、帯状疱疹)など]
※水痘(みずぼうそう、帯状疱疹)は、2014年10月1日より「定期接種ワクチン」のグループに仲間入りです。
集団免疫の観点からもヒトの「定期接種ワクチン」は素晴らしい実態・現状と考えられます。
そして「任意接種ワクチン」は、保険適用外・自己負担のワクチンとなります。
[ロタウィルス・ムンプス(おたふくかぜ)など]
※誤解のないようワンポイント!
「定期接種ワクチン」と「任意接種ワクチン」は、単に法律上区分されているもので、それぞれの予防接種で防げる病気の重大性の違いではありません。
水痘でもわかるように、時代で内容も変化します。
ワクチンと免疫のしくみ(アニメ)
一般財団法人阪大微生物病研究会
さて、本題の動物さんのワクチンのお話です。
法律で接種が決められている犬の狂犬病ワクチン以外は、任意接種ワクチンとなり、もちろん公費負担も有りません、自費です。
(狂犬病予防注射も100%の公費負担ではありませんので、接種の際自己負担があります)
なぜ犬の狂犬病ワクチン接種が法律で定められているのかは、狂犬病は主に、犬・猫が伝播し人間に危害を加える疾病で、ワクチンで防疫可能とされていること、かつ犬・猫を飼育するのは個人の趣味であるとの国の判断からと考えられます。(2014年現在)
大田区「犬に関する届け出」(狂犬病予防注射)
また、法律で接種が決められている犬の狂犬病ワクチン以外に、国や地方自治体が接種を勧めるワクチンはありません。
しかし、昨今、ペットの災害対策としてペットの健康管理も重要とし、狂犬病予防注射以外のワクチン接種、ダニ・ノミ駆除も・・という動きが、地方自治体からも発信されています。
大田区「ペットのための災害対策」
現状、犬・猫に混合ワクチン(狂犬病予防注射以外の予防注射)を勧める主だった立場の人は、獣医師・動物関連のお仕事の方もしくは愛犬・愛猫家だけかもしれません・・・。
そこで、ドン・ペット・クリニックが診療中に述べている事というと
混合ワクチンについては、犬なら5種混合ワクチン、猫では3種混合ワクチンが、ヒトでいう強く接種を勧める「定期接種ワクチン」に該当するとお話しています。
したがってドックラン・トリミングやシャンプー・旅行時の宿泊施設やペットホテルなどで要求されることもあります。
そして、ヒトでいう「任意接種ワクチン」に該当するワクチンは、犬にとっても、猫にとっても感染すると怖い、もしくは犬なら地方によく行く、猫なら屋外に出る場合、犬には8種混合以上(レプトスピラを含む)をお勧めし、猫には5種混合(猫白血病・クラミジアを含む)をお勧めしています。
※この秋から当院の犬の混合ワクチンについては5種と8種の選択制から5種と10種の選択制になっています。(イメージとしたら『 Core 』と『 Full 』と思っていただければわかりやすいかな)
なお、犬の場合は、混合種数が増えてもワクチン副反応率は一概に上昇することは無いとドン・ペット・クリニックでは、実績も踏まえてお話しています。
猫の場合は、猫の5種混合ワクチンの実施率が低いため、猫5種に関する実績を含めたコメントはお話していません。
ドン・ペット・クリニックのワクチン副作用・副反応、発生状況
(1996開院~2012,7月現在)新たな発生に伴い更新します
接種前に飼主様と相談して接種に至るわけですが、ドン・ペット・クリニックでの接種内訳は、犬では8種混合(10種含む)ワクチンが約80%、猫は3種混合ワクチンが100%です。
理由としては、犬では「副反応率が変わらないのであれば、散歩も行くし、しっかり予防しておきたい」という御意見から8種以上の混合ワクチンが選択され、猫では「室内飼育なので」3種混合ワクチンが選択されていると思われます。
◆関連トピック(リンク一覧ページ)
【HP掲示板】
「犬:注射関連」のお話はコチラ
【HP掲示板】
「猫:注射関連」のお話はコチラ